アトピー性皮膚炎が半年で治った話

難治性アトピー性皮膚炎で鍼灸治療を担当した時の話です。

 

頭から足の先まで、体すべてにアトピー症状があり、痒くて眠れないし精神的にも辛いという方でした。

かゆみ症状がひどい方は往々にして睡眠障害や精神的にも落ち込みがあったり不安定になりがちです。

アトピーの患者さんは、皮膚科でのステロイド治療から始まり、様々な治療を試しに試して、良くならずに鍼灸治療を受けるという方は非常に多いです。また、ステロイドを辞めた途端にリバウンドし、症状がかなり酷くなる、というパターン。

今回のお話の患者さんは後者でした。


アトピー性皮膚炎に限らず、患者さんは少しでも早く治りたいという気持ちがあり、数回の治療で変化がないと鍼灸治療自体をあきらめてしまう方も多く、経過をしっかり見るということもできない場合があり、歯がゆい気持ちになる事もしばしばありますがこの方は違いました。

     

【治癒までの道のり】


週一回一時間の鍼灸治療をほぼ欠かさず半年間続けられました。半年のうち一度だけ都合によりお休みしただけで、毎週きちんと鍼灸治療を受けておられました。

 

セルフケア、食の見直しも同時に自主的に取り組まれ、生活環境にも気を配り、少しでも原因となるものがあれば改善しようとされていました。

(特に住居環境を徹底的に改善)

 

具体的には記せませんが、その話を聞いて本当に治そうという強い意志を感じ、私も毎週できる限りのことを一時間の中で行いました。

 

最初はあまりに症状が強かったため、私自身内心はらはらしていましたが、一進一退を繰り返しつつも薄皮をはぐようにアトピー症状が落ち着き始め、睡眠障害もそれとともに軽くなり、眠れるようになってから治癒への速度はさらに加速し、半年目に症状は消えて驚くほど健康的な皮膚に生まれ変わりました。

 

患者さんの表情が症状とともに明るくなって口数も増えていったのを見た時に、心が整うことによる体への影響も大きいのだろうなと感じました。

 

あんなにひどかった症状が奇跡的に!やっぱり鍼灸ってすごい!


などと表現すればなんか凄そうでもありますが、実際は奇跡よりもご本人の強い意志と行動が前提で、その前向きな方向に進む歯車に鍼灸治療がぴったりはまったんだろうな、と考えています。

     


そして鍼灸はどのような方にも優しくフィットする治療法ですし、必ず何らかの変化を起こす、と私自身も強く信頼しています。

一つの症状が完治するまで見届けられる事は治療家にとって何よりも幸せな事です。


アトピー性皮膚炎で苦しむ方は多いので、この記事がお役に立つことを願いつつ。

 

またアトピー皮膚炎については掘り下げたお話もしていこうと思いますが今回はここまでにします。

 

   ※治療の効果は個人差があります。あくまでもある一人の患者さんのエピソードです