依存、中毒、精神疾患を鍼灸の立場からちらっと考察する。その①

先月、法曹関係者から違法薬物使用、性犯罪、その他依存症などの犯罪者に対する法律と医療の動向についての話を聞いていました。

 

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ある医師が考案した方法で、犯罪者が犯した罪を病気によるものと捉え、罰する前に治療をするように法整備をしたらよいのではないか、ということを提唱している組織があるという。

薬物依存も含め、精神的な問題が起因する肉体的精神的症状に対する鍼灸治療の有効性というのはあるのだろうか?

あるのではないか。という想いはあったのですが、このようなエビデンスで鍼灸は有効である、といった犯罪者に対する治験などはない。

海外では薬物依存に対する耳鍼治療を行っている組織があり(日本にはないけどテキストは海外経由で入手できる)、以前から非常に興味があったのであらゆる文献をあさってみた。

 

鍼灸の脳内の神経伝達物質への効果としてはドーパミンやノルアドレナリンの分泌をコントロールするセロトニン分泌を促進、というのが教科書的なもので語られている。

 

ある文献では一定の条件下ではセロトニン作動神経へ増加抑制に作用するという記述もあるので、ざっくり解釈するならば

鍼灸によって脳内の神経伝達物質の分泌を増加、抑制が可能ということになる。

 

 

 

~以下名古屋大学での研究論文より引用~

 

「中脳辺縁系ドパミン作動性神経系は報酬回路を構成する重要な神経系の一つである。コカイン、アンフェタミン、およびメタンフェタミンはいずれも強力なドパミン作動薬として作用する。コカインはドパミン作動性神経終末に存在するドパミントランスポーターに結合し、ドパミンの再取り込みを阻害することによりシナプス間隙のドパミン濃度を増加させる」

 

鍼灸はセロトニンを増加させ、ドーパミン分泌を抑制させるので少なくとも薬物依存に対して一定の効果が認められるだろう、という推測をしてみました。

 

法律的にどうこうは置いても、依存性のある症状に対する治療措置などが実現して犯罪抑制や更生に繋がるならば、いろんな手段を検討するのも価値があるだろうなというのが個人的感想です。

 

あら、ちょっと長くなりそうなんでひとまずおしまい。