虎爪鍼灸室が考える鍼灸の役割は

 

病気を治す行為だけではなく、その方が備え持つ滞在的な能力を引き上げること

 

......そのように考えております。

医療機関で診断名をつけられた瞬間から「病人」になってしまうことに、私は疑問を抱いています。


最後の頼みの綱として鍼灸院の門を叩く方が非常に多いのですが、その場合、症状としては深刻な状態から治療をスタートする事になります。

例えば、皮膚疾患などでステロイドを長期服用、塗布したり、ガンに対する三大治療(手術療法、化学療法、放射線療法)を受けたり、その他疾患にも薬物治療のみで経過を見るといったことにより、生体の本来あるべき姿は失ってしまっていると言っても大げさではありません。

さらに診断名を与えられ「病人認定」されたことによって、いやでも自分自身を「病気を患った自分」と認識することになります。それは精神的にも悪影響を与え、より事態を深刻にしていると考えます。

 

「病気を治す」という発想より、私はその方のポテンシャル(滞在的な能力、可能性)を引き出すことが鍼灸の役割で、ゴール設定は単なる病気を治す、つけられた診断名を返上する、といったことではないと考えています。

 

鍼灸を通じて、辛い症状を緩和しながら、自分自身の心身に向き合うこと。

鍼灸によって物理的に体に変化を起こすことで心身のバランスを得ることができます。

心身の機能を司る自律神経に働きかけるような治療をすることで自ずと心身に変化は起こり、痛みや苦しみを徐々に緩和し、精神的に安らぐことで、あなたの中に新たな発見を得るかもしれません。